チームオレンジ:医療健康の悩み相談コーナー開設

新型コロナウィルスをめぐる状況はまだまだ予断を許しません。2回のワクチン接種は国民の6割以上が終えたとはいえ、家族の中で接種を拒否される方への対応、まだ接種を迷われている方の不安など、中々人には相談できない悩みを抱える方もいらっしゃいます。加えて、制限を強いられた生活の長期化から心身の健康への影響も危ぶまれています。チームオレンジ・ドイツの活動の一環ではこの度、JAMSNETドイツ代表で内科医の馬場恒春先生に、お寄せいただいた医療や健康の悩みにお答えいただきました。
加えて、ドイツ国家公認の臨床心理士であるホーネカムプ山本有先生には心の健康に関するエッセイを執筆いただきました。どちらも今後更新されていきます。まずはこちらからどうぞ。

 

 

ドイツでは市民すべてに新型コロナウィルスのワクチン接種が提供され、市民の63.7%の接種を完了している。このため、税金を投入して継続的にコロナ検査の費用を支払う必要はないという理由から、2021年10月11日をもって、市民向けの無料のコロナ迅速検査は終了する。10月11日以降、無症状者のコロナ検査は有料となる。

続けて無料の検査対象となるのは以下の者である。

  • 検査時点で12歳に達していない者、あるいは検査の3か月前に12歳に達した者
  • ワクチン接種を禁忌とされる者(妊娠初期の妊婦など)
  • コロナ感染による隔離を終えるために検査が必要な者

また、2021年8月/9月から常任接種委員会STIKOによる接種勧告の対象となった未成年者と妊婦、外国からの留学生で、外国でドイツでは認可されていないワクチンの接種を受けた者も、2021年12月31日までは無料で12月31日まで無料の検査を受けることができる。

詳細はこちらから。

 

 

ドイツ情報を満載した日本語のフリーペーパー NIPPONipで「チームオレンジ・ドイツ」が紹介されました。このように、各地で活躍するチームオレンジのメンバーを通して、多くの方に情報が伝わっていくことを願います。ブログ記事へはこちらから。

ドイツでは現在(2021年9月9日)人口の約60%が、新型コロナウィルスワクチン接種を完了している。年齢別にみると、60歳以上の83%が接種を受けているのに対し、18-59歳の接種率は67%にとどまっている。未接種者の感染が増えている中、連邦政府は接種を促進すべく、9月13日から19日の一週間、#Hierwirdgeimpft(ここで接種してます)キャンペーンを展開する。これまでさまざまな理由でワクチン接種に至らなかった市民が接種を受けやすくできるよう、スーパーマーケットや市場、スポーツ施設、医療機関など全国各地で参加団体を募集している。州ごとに接種場所の検索はこちらから。

 

「遠隔介護」、あるいは「遠距離介護」という言葉は近年よく聞かれます。実家の親が要介護になり、遠く離れた町に住む息子や娘が遠くから介護やサポートをオーガナイズすることを指します。同じような現象は日本だけではなくドイツにもあり、頻繁に親元へ帰れない距離に住む子にとって、親の介護は深刻な問題です。ドイツに住む私たちの場合は、自分の親が日本にいて病気で入院したり、介護が必要になったりしても、すぐに飛んでいくことはできません。コロナ禍の入国制限で、日本との距離は拡がる一方です。

このような問題を抱えて海外に住む日本人はドイツだけではありません。親に何かあった時、あるいは今から情報を集めておいて備えておくことはどこの国に住んでいても大切なことです。アメリカに住む森山陽子氏は、海外に住んで日本に高齢の親をもつ日本人のために『遠隔介護ハンドブック』(2017年)を執筆されました。この度、デーヤック友の会の遠隔介護AG*の企画で、森山氏をご招待してのオンライン講演会を開催します。

日本の親のことは心配なもの。でも・・・

  • 海外からできることって?
  • 日本の介護保険ってどんなもの?
  • 今から準備できることってあるの?
  • 「いざという時」どうすれば?

(出典 http://wise-leadership.com/aboutbook

こういった疑問にご関心のある方はぜひご参加ください。

日時:  9月25日(土)18時30分より20時
(1時間の講演+30分ほどのQ&Aを予定)
定員:  40名
参加費: 10ユーロ(今回は、DeJaK−友の会会員、非会員とも)

お申し込みはこちらから。(締め切り9月20日)
お申込みフォームより具体的な質問も受け付けております。
お支払い: PayPal またはドイツの銀行口座をご利用いただけます。

 

* 2021年11月1日追記:当会の「遠隔介護AG」は、名称を「遠距離支援・介護AG」と変更いたしました。

ドイツでは連邦と州政府の合意により、新型コロナウィルスの更なる蔓延防止のため、2021年8月23日から「3Gルール」の導入が決定した。3Gとは3つのG(geimpft=ワクチン接種済み、genesen=感染後快復済み、getestet=検査済み)を指し、ワクチン接種をしていない、あるいは快復証明がない者は以下の場合、コロナ検査の陰性証明を提示しなければならない。

  • 病院,高齢者・介護施設や障害者支援施設への立ち入り
  • レストラン屋内の利用
  • 屋内イベントやパーティの参加
  • 身体接触のあるサービスの利用(美容院,コスメティックスタジオ,ボディケア等)
  • 屋内スポーツ(フィットネス・スタジオ,プール,その他の屋内スポーツ施設)
  • 宿泊施設の利用(到着時及び滞在期間中は週2回のコロナ検査)

コロナ検査とは24時間以内に行った抗原迅速検査(Antigen-Schnelltest)、または48時間以内に実施したPCR検査である。ただ、ワクチン接種を更に促進するため、これまで無料であったコロナ市民検査(Corona-Bürgertest)が10月11日以降は有料化することも決まっている。例外はワクチン接種が不可能な者,ワクチン接種が一般的に推奨されていない者(特に妊婦,子供や18歳未満の未成年者)で、引き続き無料のコロナ検査を受けることが可能となる。

「7日間指数」が35を下回る市郡では,各連邦州はこの3Gルールを部分的に撤廃することもできる。ハンブルクでは8月29日土曜日より、レストラン、バー、劇場や映画館などの公共施設は3Gに代わって2G(接種済みと快復済みのみ)を選択することができる。2Gルールを適用するレストランや施設には未接種者の利用が実質不可能になる訳だが、経営者は座席数や開店時間の制限から免除されるため、特にバーやクラブでは収益を期待して2Gルールを歓迎する経営者は少なくないとか。他の州でも2Gルールの採用は検討されている。

各州の規定については、 「役立つ情報へのリンク」欄をご覧ください。

参考:
https://www.bundesregierung.de/breg-de/suche/bund-laender-beratung-corona-1949606
https://www.hamburg.de/coronavirus/aktuelles/15357332/3g-modell-2g-ueberblick/
https://www.ndr.de/nachrichten/hamburg/coronavirus/2G-Optionsmodell-in-Hamburg-gilt-Geteilte-Meinungen,corona8652.html

 

外務省の「海外在留邦人・日系人の生活・ビジネス基盤強化事業」として7月にドイツ10か所でチームオレンジ・ドイツが立ち上がりました。邦人高齢者やそのご家族を主な対象として、新型コロナウィルス、ドイツの介護や福祉、認知症についての情報や相談、「お元気ですか」と定期的にお声がけする「見守り」、そして匿名の日本語電話おしゃべりサービスなどの活動内容を紹介したリーフレットが印刷されました。サービスは会員・非会員に関わらず、どなたでも無料でご利用いただけます。ご希望の方、また配布にご協力をいただける方はご連絡ください。リーフレットは日本語とドイツ語の両面印刷になっています。

PDF(1GB)のダウンロードはこちらから。

お問い合わせは:メール(エアビック妙子)、あるいは電話(シュペネマン望 0173 217 5058)でお気軽に。

 

 

ドイツでは12歳以上の子どもの新型コロナワクチン接種に関して常任予防接種委員会(STIKO)は、自身が重症化のリスクのある子ども、予防接種を受けることができない家族と同世帯に住む子どもなど限られた対象グループにしか、接種を勧めてこなかった。子どもは感染しても重症のリスクが低いこと、副作用に関するデータが少ないことがその理由である。この度、米国の1000万人の子どものデータが解析された結果、懸念されていた心筋炎のリスクが非常に低いこと、加えてデルタ株の登場により、子どもは第四波で感染するリスクが高いと考えられることから、STIKOは推奨に踏み切ったものである。高齢の祖父母に安心して会えるように、ワクチン接種を行う自発的に子どもはこれまでもいたが、STIKOの推奨を待っていた保護者も多いことから、12歳以上の子どもの接種率は今後一気に上昇すると思われる。(詳しくは:https://www.rki.de/DE/Content/Kommissionen/STIKO/Empfehlungen/PM_2021-08-16.html

 

バイエルン州健康大臣クラウス・ホレチェックは8月16日、バイエルン州では80歳以上の方や介護施設入居者で、最初の接種が6か月以上前である者を対象に、新型コロナウィルスのワクチン再接種がすぐに開始できると発表。接種を行うのはImpfzentrum(接種センター)や開業医だが、あくまでも未接種が優先されるとのこと。詳細はバイエルン州健康省のサイトをご参照ください。

新型コロナウイルス感染拡大防止を最優先すべき状況下、認知症サポーター養成講座を当面の間、オンラインでも開催できるというお知らせを、全国キャラバンメイト協議会よりいただきました。

認知症サポーターとは、認知症の人とその家族への応援者です。誰でも約1時間半の講座を受講できます。数多くの人がサポーターになることによって、認知症になっても安心して暮らせる町づくりを目指す、日本の厚生労働省の取り組みです。

DeJaK-友の会はこの取り組みに賛同し、今まで数多くのサポーター養成講座をドイツで (日本語で)開催してきました。今回、オンラインでの開催が可能になったことを受け、早速実行にうつしました。

オンラインでの講座へは、どこに住んでいても参加いただけます。
今までは、講師役であるキャラバンメイトの皆さんがお住まいの地域で講座を開催することが多かったので、興味があっても遠くて参加できないという方もいらっしゃいました。オンラインで開催するようになって、どちらにお住まいでも気軽に、自宅にいながら参加できるようになりました。

ドイツ国内には、認知症サポーター養成講座に参加してサポーターになった方が、すでに969名います。皆様もぜひ、この機会にオンライン・認知症サポーター養成講座にご参加ください。

≪講座の内容(所要時間1時間半)≫

  • 認知症とはどういうものか、早期治療が大事なわけ
  • 認知症の症状、診断・治療、認知症の予防についての考え方
  • 認知症の人と接する時の心がまえ
  • 認知症介護をしている人の気持ちを理解する

≪今後の認知症サポーター養成講座の予定はこちらでお知らせしています≫
公益法人 DeJaK-友の会 (dejak-tomonokai.de)

≪お問い合わせ≫
担当:エアビック 妙子
erwig@dejak-tomonokai.de

本年度第一回目のセミナー「鼻のケアで免疫力up!」で、今井一彰先生からご紹介いただいた「あいうべ体操」。ドイツのご家族やお友達にも紹介したいというご要望に応え、ドイツ語版を作成しました。どうぞご利用ください。

福岡市のみらいクリニックの院長今井先生は、医療を川の流れに例え、対症療法である「下流医療」ではなく、そもそも病気になりにくくする=医者を不要とする「上流医療」を提唱されています。そのためにはセルフケア!何よりも鼻呼吸が大事だということです。口呼吸を鼻呼吸に改善していく簡単な口の体操が「あいうべ体操」です。詳しくは、こちら(みらいクリニック・あいうべ体操)からもどうぞ。

 

 

 

新年3日、福岡市のみらいクリニックの院長今井一彰先生を講師にお招きし、本年度初のオンラインセミナー「鼻のケアで免疫力up!」が開催されました。ライン・マイン友の会、ライン・ネッカー友の会、竹の会や「まほろば」の協力もあり、年明け早々にドイツ各地から83名が参加という盛会ぶりでした。

東洋医学にも精通する今井一彰先生は医療を川の流れに例え、起きた問題に対処する「下流医療」ではなく、病気にならない、医者を不要とするような「上流医療」が今後の医療の在り方であり、そのためのセルフケアの必要性を説かれました。セルフケアに大事なのは、病気の原因となる口呼吸ではなく、鼻呼吸です。鼻呼吸には有害物質をブロックし、冷えを防ぎ、乾燥を防ぐ効果があります。呼吸を鼻呼吸に変えていくための口の体操が「あいうべ体操」です。いつでもどこでもできる「あいうべ体操」は一日30回を目安に地道に続けると、舌力がついて自然と口を閉じることができるようになり、アレルギー性疾患、呼吸器の病気、うつ等の症状が改善するということです。詳しくはこちらを。

また、鼻のケアに欠かせないのが「鼻うがい」。ドイツでもNasenduscheといってドラッグストアや薬局で専用のキットが買えますが、鼻うがいを毎日行って上咽頭まで洗浄すれば、ウィルスが体内に入り込むことを防ぐという効果も期待できるとか。

コロナウィルスの感染予防が注目される今、非常に役に立つお話であったと大変好評でした。

みらいクリニックの今井一彰先生はYoutubeにも動画を定期的に公表されていますので、今日のセミナーを逃した方はぜひご覧ください。-> Youtubeチャンネル「みらいクリニック」