2019年9月11日

去る8月14日、ドイツ連邦内閣は家族負担軽減法(正式名称は:Gesetz zur Entlastung unterhaltsverpflichteter Angehöriger in der Sozialhilfe und in der Eingliederungshilfe)の法案を可決しました。これまでは、介護費用の自己負担分を要介護者自身が支払えない場合、家族の年間純所得が39,000ユーロを上回っていれば、扶養義務があるとして、息子や娘が親の自己負担分を担わなければなりませんでした。介護の自己負担は施設介護の場合はドイツ平均で月1,600ユーロにもなり、子供にとってはそれが大きな経済的な負担となります。その結果、在宅で無理をして介護を受けたり、在宅での介護が十分でななくても、子の負担になることを恐れて、親が施設への入所を拒むという現象も起きていました。この法律が制定されれば、扶養家族の収入は10万ユーロまで引き上げられ、加えて、配偶者の収入は換算外となります。手続きも簡素化されることで、扶養家族にとっての負担の軽減は見込まれます。しかし、介護保険で賄われない自己負担分は市町村が社会扶助の一環で負担することとなり、自治体はこれまで以上に介護による財政圧迫を危ぶんでいます。詳細は連邦労働社会省のサイトへ。

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