鍼灸のすゝめ
骨を元気に保つ
「年齢とともに背が低くなった」「転んだだけで骨折した」という話を耳にしたことはありませんか?その原因の一つが骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。
【骨粗鬆症とは?】
骨の量や質が低下し、骨がもろくなる病気です。特に女性は閉経後、男性も高齢になると発症しやすくなります。骨折は寝たきりのきっかけになることもあるため、早めの予防が大切です。70歳代女性では約3人に1人、80歳代では2人に1人以上が骨粗鬆症とされ、高齢化とともに患者数は増加しています。
骨粗鬆症そのものには自覚症状がほとんどありません。しかし、「少しつまずいた」「尻もちをついた」程度でも、背骨や手首、太ももの付け根(大腿骨)を骨折することがあります。特に大腿骨骨折は、高齢者が寝たきりや介護が必要になる大きな原因の一つです。
なので骨粗鬆症対策の目的は、骨密度を上げることではなく、「骨折を防ぎ、自分の足で歩き続けること」にあります。
【対策と予防法】
予防には、カルシウムやビタミンD、たんぱく質を十分に摂ること、適度な運動、そして日光を浴びることが基本です。特にドイツでは冬の日照時間が日本に比べて短くなることから、サプリメントでビタミンDを摂ることが重要になります。今の季節は出来れば毎日、外に出て15分程度の散歩をしたり、軽い筋力トレーニングも、骨への刺激となり丈夫な骨づくりにつながります。
【東洋医学からみる骨粗鬆症】
東洋医学では、「骨は腎(じん)がつかさどる」と考えられています。ここでいう「腎」は腎臓だけではなく、生命力や成長、老化を支える働きを指します。年齢とともに「腎」の力が弱まると、骨や歯が弱くなったり、腰や膝の痛み、耳鳴り、疲れやすさなどが現れやすいと考えられています。そのため東洋医学では、骨だけを見るのではなく、全身のバランスを整え、「腎」を養うことを大切にします。
【ツボ押しで腎を強くする】
① 腎兪(じんゆ)腰の高さで、背骨から指2本分ほど外側にあるツボです。
「腎」の働きを補う代表的なツボで、腰のだるさや冷えや頻尿などが気になる方にもよく使われます。
② 太渓(たいけい) 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります。
東洋医学では「腎経」の原穴(げんけつ)とされ、こちらも足腰の衰えや冷え、排尿障害などのケアによく用いられます。
※どちらも痛気持ち良い強さで10秒間を目安に押してみてください。
このようにツボ押し、鍼灸やお灸で体の巡りを整えたり、体を冷やさない生活、十分な睡眠、栄養バランスの良い食事を心がけることも健康維持につながります。
【今日からできること】

原島慈郎(はらしま・じろう)
日本で10年間鍼灸師として大学病院のペインクリニック科や脳神経内病院、 婦人科疾患専門の鍼灸治療院などで勤務。2022年にベルリンに移住。Heilpraktikerの勉強を始め、2025年にドイツ鍼灸師資格取得。施術の傍ら、デーヤックのニュースレターでコラム「鍼灸のすゝめ」執筆や講演活動を行う。
お問い合わせはこちらから:hari.jiro.t@gmail.com
