この活動は終了しました。
活動概要
講師:宮崎 総一郎先生
(中部大学生命健康科学研究所、日本睡眠教育機構)
デーヤック会員の皆様は、毎晩ぐっすり眠れていますか。いまの睡眠に満足していますか。わたし自身はあまりぐっすりとは眠れていません。毎晩トイレに2回ほど起きます。だからといって、睡眠薬を飲んで無理に眠ろうとは思っていません。
睡眠でお困りの方には「朝起きた時に、疲れがなくて、日中の活動に差し支えなければ睡眠は足りているとお考え下さい。」とお話しています。この言葉がとても重要なのです。くたくたになるまでしっかり動いた日は、私も朝まで起きることがありません。夜中に起きるのは、昼間の活動が十分でなかったから、また眠る前にテレビや携帯をみてしまったからなのです。私の場合、熟睡感のない大きな理由は運動不足だと思います。眠れない理由がわかっていれば安心できます。
93歳まで活躍された漫画家の水木しげる氏は、著書のカランコロン漂泊記のなかでこう語られています。「人間は寝ることによってかなりの病が治る。私は“睡眠力”によって傷とか病気を秘かに治し今日まで“無病”である。私は“睡眠力”は“幸福力“ではないか、と思っている。私は良き睡眠を得るため必ず夜は11時に寝る、即ち夜遊びはしない。昼間は歩く。寝そべっているスタイルは漫画だけの話。快眠を得るために運動するのだ。子どものときから大の睡眠好きだった。」
生物には、どんな環境の変化にも対応できるよう多様性があります。多様性があるのは、将来どんな状況になっても種が生き残れるための生物の生存戦略なのです。長く眠る人、短い睡眠でも良い人、夜中に何度も目覚める人、睡眠にも多様性があるのです。例えば地震の時、夜間に少しの物音でも目が覚める人がいるお蔭で生存を守れます。だから、高齢者の方には「朝起きた時に疲れがないのであれば、睡眠には問題ありません。あなたの中途覚醒が家族の命を守るのに役立つこともあるので、心配することはないですよ」と説明すると納得して頂くこともあります。
わたしは、各地で睡眠の話をしています。睡眠についての知識を得ることで、睡眠の質が良くなり、心身に大きな改善が得られたとの話が多く寄せられます。
「少し長く(30分程度)睡眠時間を増やしただけで、朝寝坊や仕事中の
強い眠気がなくなり、ミスもなくなり快調です」
「寝ながらテレビをやめたところ、寝つきが良くなり、途中で目覚めなくなりました」
「カーテンを少し開けて眠るようにしたら、目覚めが良くなりました」
「コーヒーを控えると、良く眠れるようになり、血圧が10㎜Hg以上も
下がりました」
「早めに寝るようになって、夜の食べ過ぎがなくなり、
体重が減りました」
「寝酒をやめたことで、いびきや中途覚醒がなくなり、
気持ちよく目覚めらます」
など、本当にさまざまな効果です。
このように、睡眠に関する知識を学ぶだけで確実に睡眠は改善されます。「よい眠りで元気になる」ように、ひとりでも多くの方々が正しく睡眠を理解し、健やかに眠って認知症予防にもなれば幸いです。
参照HP http://sasjp.net/