俳句部門
遥かなる 正月の凧 ベルリン野 ふみ子
耕(たがやし)や 一生かけて 読む聖書 ふみ子
9万円の高級御節 プレゼント故に味覚、視覚が 倍増かな せい
垂れこめる 冬雲に澄む 友の声 ゑみ子 W
冬ひなた シミほどできぬ ビタミンD うすあさぎ
積年の ごみ出し終り 桜餅 三吉野さくら
朝日受く 早咲き桜 雪乗せて ゑみ子 W
陽春に 地面踏みしめ 光浴び ゑみ子 W
人恋し 春の儚さ 重ねつも ともみ
コロナ禍で やっと来た人 花めぐり ともみ
川柳部門
もの忘れ ままありなんと また忘れ ゑみ子 W
耳で聞き こころで聴けども 肩透かし ゑみ子 W
バスの中 まだ許される 置き忘れ ゑみ子 W
デァディダス 冠詞のもつれに 口取られ ゑみ子 W
日めくりの 威力に頼り 今日もまた ゑみ子 W
ドイツ語に 押しつぶされて 句ポロリ ゑみ子 W
ここはどこ 地図を逆さに 指なぞる 磯 益子
どうぞっと 席ゆずられて 我を知る 磯 益子
落し物 数重ねて 静かなり 磯 益子
思い立って ペンを立てれば 言葉失せ 磯 益子
名を聞いて 声響いて 消えて行く 磯 益子
腕時計 見てはスマホで 確かめる 三吉野さくら
生命の はじめ終わりの 似姿や ゑみ子 W
時迫り 家事にしわ寄せ 顔にシワ ゑみ子 W