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認知症への理解を深める

⑤「認知症とともに生きる」

デーヤック友の会

日本では2024年1月、認知症基本法(正式には、「共 生 社 会 の 実 現 を 推 進 す る た め の 認 知 症 基 本 法」)が施行されました。これまで認知症は「介護」や「支援」の対象であり、家族や周囲がどのように接するかという点に焦点があてられていましたが、同法は認知症の本人を「尊厳を持ち、希望を持って社会参加する主体」へと捉えています。その根底にあるのが、「認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができる」という「新しい認知症観」、認知症のノーマライゼーションの考えです。

日本中の自治体ではそれに先立って、既にさまざまな取り組みがなされてきました。2015年、日本の自治体として初めて「認知症の人にやさしいまち・うじ」を宣言した、京都府宇治市の例をみてみましょう。

れもねいど

宇治市認知症アクションアライアンス「れもねいど 」(Lemon-Aid)では、「認知症にやさしいまち」宣言実現に向け、いろいろな団体や企業が認知症を「自分のこと」として捉えながら、アクションを起こします。認知症の人の活動の場として茶摘みや農作業を手伝う場を設ける製造業、活動の場所を提供する飲食店、心理学を学ぶ学生と認知症の本人・家族が話し合える機会を設ける教育機関などが加盟しています。そこは、「れもねいだー」とよばれる認知症の知識をもったボランティアの活躍の場でもあります。

認知症初期集中支援チーム

認知症の方、認知症に不安のある方やその家族のもとに訪問し、認知症に関わる困りごとや心配事の相談に対応する専門職(福祉職、医療職)チームです。状況に応じて、専門医受診や介護サービス利用のサポートをします。約6か月間にわたる包括的・集中的サポート期間中、必要に応じて、病院やケアマネージャー、地域包括支援センターに引き継ぎ、在宅生活の継続を目標とします。

認知症カフェ

日本全国に9000以上あるとされる認知症カフェの草分け的存在は宇治市と言われます。宇治市には、日本でも珍しい常設型の「カフェほうおう」に加え、市内圏域と全域で「れもんカフェ」がそれぞれ年12回開催されています。カフェは、認知症の本人や家族が集い、情報交換する場としてだけではなく、啓発・普及、相談、専門職や仲間との出会いの場としての機能を果たしています。

認知症のシンボルカラーとしてはオレンジが一般的ですが、宇治市では、認知症になる前の段階から出会える場、誰もが来ることができる場ということで、オレンジよりも薄い色であるレモン色を採用したということです。

宇治市認知症対応型カフェキャラクター・“れもんちゃん”

日本語話者を対象とした啓発やサポートを行うデーヤックでは、これまでにも認知症サポーターやチームオレンジといった日本の取り組みを積極的に採用してきました。しかし、受け皿となるドイツの社会が認知症の人にやさしくなければ、私たちの活動には限界があります。

母語や国籍に関わらず、認知症になっても誰もが希望や生きがいをもって、認知症と共に生きていくことができるコミュニティ、地域、まち、社会づくりに、デーヤックは今後も貢献していきます。(シュペネマン望)

参考

認知症の人にやさしいまち・うじ。みんなで認知症みんなで人サポートブック

れもねいど

認知症初期集中支援チームパンフ

京都認知症総合センター