当会とつながりの深い馬場恒春先生が外務大臣賞を受賞され、授賞式および祝賀会が10月18日にデュッセルドルフ総領事公邸にて催されました。先生は、デュッセルドルフで内科医として在留邦人の健康面に長年にわたって尽力されているほか、JAMSNETドイツ代表として、医療従事者のネットワークを充実させ、セミナーや講演会を通じて在留邦人の福祉に大きく貢献されています。当会は常日頃から先生にご専門の立場からさまざまなご助力をいただいています。また先生のご講演は、こちらに住んでいる者にとってまさに知りたいことをわかりやすく伝えてくださる貴重なものです。

ご受賞の悦ばしい場に、当会からは、副代表の札谷、地区代表の菊地、花田の3名が同席させていただきました(写真)。先生のお人柄を象徴するようにドイツの全国各地から大勢のご参加があり、華々しくも楽しく和やかな集まりでした。私たちも新しい方々と知り合える機会をいただきました。

これからも、馬場先生のお力を得て会の活動を進めていけることを楽しみにしております。馬場先生、改めておめでとうございます。月並みな言葉ですが、ますますのご活躍をお祈りしております。

ドイツに暮らすアジア系シニアが、気軽に立ち寄り、母語での交流を楽しむことができる“居場所づくり”を目的に、昨秋ベルリンでスタートした集い「茶Cha」。約1年の試行期間を経て、この9月12日に、正式オープニングイベントが開催されました。

会場であるシャルロッテンブルクの地区センターDIVANには、80人近い参加者が集まり、広々とした多目的スペースが満員となる盛会ぶり。複数のアジア系コミュニティが共催するシニアの集いは、ドイツの行政からも注目を受け、ベルリン州の次官をはじめ、「多文化共生」問題の専門家たちが、来賓として名を連ねました。日本国大使館城戸領事にもご参加いただき、なごやかな雰囲気の中、祝辞のリレーが行われました。

 「同じ母語を話す人同士集まって、自分の経験や悩みを語り合える”セーフ・スペース”の存在はとても重要です。言葉も来し方も違う3つの国のコミュニティが、難しい歴史的体験がありながらも、こうして共に集い、交流し合っているのは、大変意義深いこと。ベルリンの数多のコミュニティにとって明るい兆しといえる試みです!」(ベルリン州政府「統合・反差別・多様性」担当次官ランデロ氏)

「孤立と孤独が世界共通の問題となる中、このように人が集う場所があるのは、大変心強いことです。日本の高齢者を支援するために始まった催しが、国籍や文化を超えた集まりに大きく発展したのは、デーヤック友の会の日々の活動と努力の賜物。感謝と敬意を表するとともに、「茶Cha」が、すべての高齢者にとって憩いの場となり、孤独に悩む方が少しでもなくなることを祈ります」(在ドイツ日本国大使館 城戸領事)

スピーチに続いては、アンサンブルMe-Oto(ピアノ小宮尚子氏、ホルン平田稔氏)による二重奏と、韓国人(元)看護師コーラスHeRo-Chorの演奏が行われました。「アリラン」の合唱では、指揮を務める牧師さんにリードされ、皆が(ゲストの方々も!)手を取り合い、リフレインに合わせて腕を揺らして、宴会のようなムードに。そこ此処に笑顔が溢れ、会場が一体となった瞬間でした。

演奏の後は、ティータイムとなり、久しぶりに会う人々や、初めて会った人同士、美味しいものをつまみながら、会話の輪が広がります。デーヤックほか、ボランティア・チームの協力で、ビュッフェには、お団子やあんパン、韓国海苔巻きやチヂミ、ベトナムの春巻き……など、それぞれの故郷の味がずらりと並びました。

ここで、シュペネマン会長が改めて「茶Cha」の活動内容を紹介し、今後はさらに他のアジアコミュニティにも参加を呼びかけていきたい、との抱負を語りました。

そして、イベントはいよいよクライマックス。「茶Cha 」の人気プログラムである「椅子カキラ」の時間です。日本生まれの肋骨体操「カキラ」を指導してくださるのは、デーヤックの催し物でおなじみの菅田珠貴さん。皆の共通語であるドイツ語で動きを説明する珠貴さんに、韓国の参加者から「日本語ではどう言いますか?」という質問が飛び出し、参加者全員が「オスー」「ヒクー」と元気に声を合わせて、再び会場が一つになりました。

国を超えての交流が自然に生まれ、和気藹々とした雰囲気で進行したオープニングイベントは、参加者の皆さんに大変喜んでいただいただけでなく、デーヤックの活動をドイツの行政機関にアピールする良い機会ともなりました。

「移民・統合政策に関して難しい懸案が山積する中、今日は心温まる時間を過ごすことができました。素晴らしいイニシアチブに感謝します」——そう語るランデロ次官はじめ、来賓の皆様から、口々に「茶Cha」のこれからの活動に対する温かい声援をいただきました。(ベルリン・重松えり子)

※「茶Cha」は、毎月第二木曜日の14:00〜16:00開催。おしゃべりやゲーム、カキラ体操などを楽しむほか、生活相談にも応じています。

認知症のご家族がいる方、自宅でまさに介護中の方、もしかすると家族が認知症なのでは……と気になっている方など、周囲に日本語で相談できる「仲間」がいない方々のための交流の場です。似たような立場の方たちと、日本語で思うまま話し合ってみませんか。

Zoomでは匿名やニックネームでの参加も可能です。無理に話をする必要はなく、まずは皆さんの話を聞くだけでも構いません。ただ、話しやすい雰囲気をつくるため、カメラはオンでご参加ください。

4回目となりますオンライン家族の会は、日時:9月22日(日) (10時半〜12時)です。9月20日までに、エアビック妙子 erwig@dejak-tomonokai.de宛お申し込みください。

少子高齢化が進み、介護従事者の不足がますます深刻な問題となる中、日本では、人手不足解消の策として、施設や在宅ケアにおける「介護ロボット」の導入が急がれています。「介護ロボット」と聞くと、何やらSF映画のようなイメージが思い浮かぶかもしれませんが、ロボットとは、「知能化した機械システム」のこと。ロボット技術が応用され、要介護者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器を、総称して介護ロボットと呼びます。

例えば、センサーや外部通信機能を備えた機器によって、転倒防止や危険察知などを可能にし、業務を効率化する、見守りシステム。ベッドからの抱き上げ移乗など、身体に大きな負荷のかかる作業を助けるパワーアシスト機器(装着・非装着型)。人の名前や顔、興味の対象を覚えて、利用者の話し相手になり、認知症の人ともうまく会話を続けることができる人型ロボット……等々、種類も効能も多様な介護ロボットですが、実際の普及率はまだまだ低いのが現状です。

普及が進まない一番の要因は、導入コストの高さで、これに対し、国や地方自治体が、様々な補助金を給付して、その普及促進に努めています。そのほか、介護する側・される側双方の、介護にロボットを利用することに対する抵抗感も、大きなネックとなっています(ドイツも同様)。しかしながら、人手不足が加速化している状況で、従来のままの介護態勢では、ケアが行き届かなくなることはすでに明らかです。問題の改善に有効な選択肢である、介護ロボットについての情報の周知、そして、その普及と適切な利用のための早急な環境整備が望まれます。(重松えりこ)

デーヤック友の会の会員で、これまでに何度も講演会の講師をお務めの神田英明先生の渡独に際し、2024年8月後半から9月前半にかけ、ミュンヘン、フランクフルト、フライブルク、ベルリン、デュッセルドルフにて勉強会「安心老後のために在独邦人が知っておきたい 日本の法律事情」が開催されます。

ドイツで老後を迎えるであろう私たち、日本に住む親族のいる私たち。日本にある不動産、銀行口座、マイナンバー、介護する側・される側、相続する側・される側。

いろんな立場から気にはなりつつ、調べるには至っていないこと。

調べてみたものの、いま一つ分からないままになっていること。

神田先生に日頃の疑問や不安をぶつけ、すっきりしませんか。

神田先生プロフィール:明治大学専任講師、東京弁護士会弁護士・通知税理士。教え子弁護士100人超。ミュンヘンに3年ほど在住。コロナ禍中、一時帰国できない在外邦人のために精力的に全世界規模でオンライン講演を多数開催し、以降、様々な在外邦人を支援するプロジェクトに取り取り組む

詳細は活動予定一覧をご参照ください。

定期的に5種類以上の薬を服用している方は、年に1回、または大幅に処方薬剤が変更された場合に、薬局に申し込んで「お薬チェック」を受ける権利があります。健康に大きな害を与える恐れのある投薬ミスを防ぐことが目的で、費用は法定健康保険が負担(プライベート保健でも費用負担される場合あり)。処方薬のほか服用している鎮痛剤や睡眠薬、健康サプリメントも薬剤分析の対象になり、結果に基づいて 、最良最新の投薬計画を受け取り、服用のタイミングなどについてのアドバイスをもらうことができます。多種の薬剤を、特に複数の医者から処方されている方は、ぜひご利用ください。
参考リンク:Verbraucherzentrale Bundesverband “Medikationsanalyse: Apotheken prüfen, ob sich die Medikamente vertragen”

認知症のご家族がいる方、自宅でまさに介護中の方、もしかすると家族が認知症なのでは……と気になっている方など、周囲に日本語で相談できる「仲間」がいない方々のための交流の場です。似たような立場の方たちと、日本語で思うまま話し合ってみませんか。
Zoomでは匿名やニックネームでの参加も可能です。無理に話をする必要はなく、まずは皆さんの話を聞くだけでも構いません。ただ、話しやすい雰囲気をつくるため、カメラはオンでご参加ください。
3回目となりますオンライン家族の会は、日時:7月7日(日)10時半~12時の開催です。申し込み・お問い合わせは7月5日まで、エアビック妙子 erwig@dejak-tomonokai.deまで。

今年の1月から義務化された電子処方せん。デジタルで作成・署名された処方せんが「集中システム(E-Rezept-Fachdienst)」に保存され、電子健康保険カード(eGK)さえ薬局に持っていけば、処方薬を出してもらえます。そのほか、スマホの専用アプリ(暗証番号が必要)、診療所でプリントアウトしてもらった「処方せんコード」(処方せんそのものではないことに注意)を利用することもできます。
 
いつも飲んでいる薬を続けてもらう場合や、オンライン診療の際など、処方せんのためだけにわざわざ診療所に足を運ぶ必要がなくなったほか、何よりも、電子患者ファイル(ePA)の投薬計画との併用で、薬の管理が改善され、服薬の安全性が高まるという利点があります。オンライン薬局を含む、すべての薬局で利用でき、家族などが本人に代わって医薬品を取りにいくことも可能です。
(参考:ドイツ健康省ホームページ

バーデン=ヴュルテムベルク州アルツハイマー協会制作の認知症の方とのコミュニケーションをテーマにした動画「Durch den Nebel (霧を抜けて)」の日本語版が完成し、Youtubeにて公開されました。同州の会員たちのイニシアチブにより翻訳され、アルツハイマー協会がTechniker Krankenkasseの助成を受けて、実現の運びとなったものです。認知症の方からみた霧にまみれた世界、そして、コミュニケーションの鍵とは何かを教えてくれます。

 

 

 

デーヤック友の会のフライヤーが改訂されました。お知り合いやご友人に会の紹介をしたい、あるいは店頭に置いていただける方はご連絡ください。必要な部数を郵送します。PDF版はこちらをご覧ください。
注文はmail@dejak-tomonokai.de 、あるいは電話(0152 5268 0596)でどうぞ。

 

医療従事者のネットワーク JAMSNET は世界中に存在しますが、医療・健康のみならず、高齢者支援にも携わる加盟団体が少なくありません。2021 年 2 月には、世界中の地域間の連携を強化すべく「高齢者支援ネットワーク」が立ち上がり、デーヤック友の会はドイツの「世話人」として当初から参加してきました。移民の歴史の長い北米の高齢者事情、あるいは世界共通の課題として、日本に住む家族の遠隔支援に取り組むなど、毎月の定例会からは多くを学ぶことができます。この度、本ネットワークのホームページが公開されました。年末までにはドイツで高齢者支援に取り組む団体の追加、ドイツのイベントの掲載も予定しています。
サイトへはこちらからどうぞ。

「HIROs LIED」はベルリンのデイケアで出会った日本人女性を通して異国で老いを迎えることを意識し出したという、ベルリン在住の演出家・前納依里子さんによる作品で、同じくベルリンを拠点に世界的に活躍される舞踏ダンサーの吉岡由美子さんが主役を演じられます。(吉岡さんはデーヤックの会員として、会の活動を応援してくださっています。)

2年前、コロナ禍の入場制限がある中初演されて以来、初めての再演が決まり、チケット予約が始まりました。予約いただいたチケットは公演当日に劇場にて現金でお支払いいただきます。

予約をご希望の方は、希望の公演日、ご氏名、枚数をこちら(yorikomaeno@outlook.com)まで、お知らせください。その後担当より、予約確認のメールが届きます。

日程: ① 2023年6月10日(土) 20時~、② 6月11(日)17時~(所要時間約60分)
場所: theaterforum kreuzberg | Eisenbahnstraße 21、10997 Berlin(U 1, U-Bhf-Görlitzer Bhf か Schlesisches Tor、Bus 165/265, Eisenbahnstraße)
チケット: 大人15ユーロ、 割引12ユーロ

本公演は、演出の前納依里子さん、デーヤック友の会、独日協会ベルリン、Fachstelle für pflegende Angehörige (Diakonie Berlin-Stadtmitte)、 Zentrale Anlaufstelle Hospiz (Unionhilfswerk)の共催で実現の運びとなりました。しかし、必要な費用を賄うためにはチケット収入だけでは足りず、寄付を募っています。(寄付をいただいた方には、税控除のための寄付証明書を発行いたしますので、必要な方は、メールでご連絡ください)

写真:『HIROs LIED』より/photo by Dieter Hartwig