鍼灸のすゝめ

季節に合わせたセルフケア

原島慈郎(はらしまじろう)

6 月は朝晩と日中の気温差が大きく自律神経が乱れやすい時期です。皆さん体調を崩してはいませんか?僕自身、季節の変わり目に体調を崩しやすいので、普段から季節に合わせたセルフケアを行っています。その為には今がどの季節に当たるのか知ることが重要です。今は、「春と夏の間!」と思われた方が多いのではないかと思いますが・・・

それは正解であり間違いでもあります。と言うのも、東洋医学では「春、夏、長夏、秋、冬」と四季ではなく五季に分けられ、今は夏と秋の間の「長夏」に分類されるからです。ですから、今の時期は少し特殊で、現代的な四季だと夏の前なのに、旧暦の五季だと夏の後に分類される不思議な季節なのです!

そして季節だけではなく、東洋医学では自然界と人体など森羅万象を五つに分ける『五行説』という考え方があります。例えば

と右の表のように分けられています。

なんか呪文のようで少し難しいですが、この表の簡単な見方は縦に見ることです!

今で言うと季節は「長夏」なので五行の真ん中「土」「甘」「黄」「脾」「胃」などに当たります。

簡単にまとめると、「今の時期は甘いものが無性に食べたくなり、顔や体に湿度が溜まりむくみ、黄ばみやすく、脾と胃の機能に影響が出やすい」ということになります。今の時期は冷たくて甘いものをガブ飲みしたくなりますよね。しかしそれは体に良くありません。東洋医学には『脾』と言う、西洋医学で言うところの消化器官全般を指す考え方があります。

冷たいものをガブ飲みすることでこの『脾』の機能が低下してしまい、その結果、水分代謝が悪くなり「むくみ」として現れます。顔や身体のむくみが気になる方は、暑くても冷たいものよりも温かい飲み物、もしくは常温の飲み物を取るように心がけてください。

そしてその中でも特にオススメなのが、とうもろこしのひげ茶 ( コーン茶 ) です!コーン茶には利尿作用があり、むくみの解消や予防に効果があるだけではなく、鉄分、食物繊維も多く含み、便秘の改善、更には冷え症にも効果がある素晴らしい飲み物です!

アジアンマーケットなどで買えますので是非♪

季節や体質に合わせた生活が病気の予防や健康に繋がります。


原島慈郎(はらしま・じろう)

日本で10年間鍼灸師として大学病院のペインクリニック科や脳神経内病院、 婦人科疾患専門の鍼灸治療院などで勤務。2022年にベルリンに移住。Heilpraktikerの勉強を始め、2025年にドイツ鍼灸師資格取得。施術の傍ら、デーヤックのニュースレターでコラム「鍼灸のすゝめ」執筆や講演活動を行う。

お問い合わせはこちらから:hari.jiro.t@gmail.com

原島慈郎