鍼灸のすゝめ

花粉症を東洋医学で予防する

原島慈郎

今回は既にこの時期悩んでいる方もいるかと思われる花粉症についてと、最後に効果的なツボをご紹介します。

現在、世界では 20%以上の人が花粉症だと言われていて、日本に限って言うと 50% 以上の人が自覚ありと回答しています。花粉症とは、正式には季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれるアレルギー性疾患で主に 3 〜 5 月の時期に発症し、主に目と鼻にアレルギー症状を引き起こします。

ドイツでは日本でおなじみのスギ、ヒノキ花粉はありませんが、シラカバ、イネ、ヘーゼル花粉などがあります。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく、頭痛や咽頭炎、皮膚炎、喘息、全身の倦怠感などの症状が出る場合もあります。

花粉症のメカニズム

花粉症は、花粉に接触したからといってすぐに発症するわけではありません。

花粉に接触するたびに体内に「IgE 抗体」が蓄積され、それが、ある水準に達して始めて花粉症発症の準備がととのった状態になります。ですから、ドイツに来たばかりは大丈夫でも、数年経ってから発症するということが起きます。また、 毎年、世界中で 0.3%ずつ花粉症患者は増えているというデータもあります。

花粉症には東洋医学が効果的!

まずは、耳鼻咽喉科などでアレルギーテストをして、西洋医学的な治療をおすすめします。ですが、薬の副作用の眠気が仕事に支障をきたしたり、アレルギー症状が強く日常生活にストレスを感じるような方には東洋医学がおすすめです。というのも僕自身が 15 年以上、花粉症の時期は鼻血が出たり、微熱が出るほど強いアレルギー性鼻炎で薬を手放せなかった一人だったのです。鍼灸治療に出会って噓のように症状が軽くなった私自身の経験からみなさんにおすすめしています。

セルフケア

今回はもう時期的にも症状が出ていて苦しんでいる方も多いと思いますので、ご自宅でも簡単にできる花粉症に効くツボを 3 つご紹介します ✨

今ある不快な症状に対して即効性のあるツボ、また翌年の花粉症予防として効果のあるツボは以下の 3 つです。

① 迎香 ( げいこう ) 鼻の症状に

② 攅竹 ( さんちく ) 目の症状に

③ 風池 ( ふうち ) 予防として

この 3 つのツボを指先でそれぞれ 10 秒ほど痛気持ちいい強さで押すと症状が軽くなります。画像にあるその他のツボも効果的なので是非お試しください。

たかが花粉症と思わずに一人一人に合った方法でしっかり予防と対策していくことが重要です。お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。


原島慈郎(はらしま・じろう)

日本で10年間鍼灸師として大学病院のペインクリニック科や脳神経内病院、 婦人科疾患専門の鍼灸治療院などで勤務。2022年にベルリンに移住。Heilpraktikerの勉強を始め、2025年にドイツ鍼灸師資格取得。施術の傍ら、デーヤックのニュースレターでコラム「鍼灸のすゝめ」執筆や講演活動を行う。

お問い合わせはこちらから:hari.jiro.t@gmail.com

原島慈郎