2024年8月18日
少子高齢化が進み、介護従事者の不足がますます深刻な問題となる中、日本では、人手不足解消の策として、施設や在宅ケアにおける「介護ロボット」の導入が急がれています。「介護ロボット」と聞くと、何やらSF映画のようなイメージが思い浮かぶかもしれませんが、ロボットとは、「知能化した機械システム」のこと。ロボット技術が応用され、要介護者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器を、総称して介護ロボットと呼びます。
例えば、センサーや外部通信機能を備えた機器によって、転倒防止や危険察知などを可能にし、業務を効率化する、見守りシステム。ベッドからの抱き上げ移乗など、身体に大きな負荷のかかる作業を助けるパワーアシスト機器(装着・非装着型)。人の名前や顔、興味の対象を覚えて、利用者の話し相手になり、認知症の人ともうまく会話を続けることができる人型ロボット……等々、種類も効能も多様な介護ロボットですが、実際の普及率はまだまだ低いのが現状です。
普及が進まない一番の要因は、導入コストの高さで、これに対し、国や地方自治体が、様々な補助金を給付して、その普及促進に努めています。そのほか、介護する側・される側双方の、介護にロボットを利用することに対する抵抗感も、大きなネックとなっています(ドイツも同様)。しかしながら、人手不足が加速化している状況で、従来のままの介護態勢では、ケアが行き届かなくなることはすでに明らかです。問題の改善に有効な選択肢である、介護ロボットについての情報の周知、そして、その普及と適切な利用のための早急な環境整備が望まれます。(重松えりこ)
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