鍼灸のすゝめ

ツボ押しで食べ過ぎ・飲み過ぎをやさしく整える

原島慈郎(はらしま・じろう)

あっという間に今年も年の瀬ですね。

この時期は、忘年会や新年会などで美味しいものが並ぶと、つい食べ過ぎたりお酒が進みすぎたりすることがありますよね。

今回はそんなときに、やさしく体調を整えてくれるツボを2つ紹介します。

1つ目は内関(ないかん)です。

ツボの位置は手首の内側で、手首から指三本分ほど上にある腱と腱の間にあります。 

胸のつかえや胃まわりの不調が気になるときに、気持ちをスッと楽にしてくれると言われています。

二日酔いや車酔いなどにも効果があり、市販でも内関バンドというツボを刺激してくれるグッズが売られているほど認知されているツボです。

痛気持ち良い強さで10秒を目安にして押してみてください。

ゆっくりと心身がほぐれるような感覚が得られるという声もよく聞きます。

そして2つ目は足三里(あしさんり)です。

ツボの位置はすねにあるツボで、膝のお皿の下から指4本分ほど下にあります。

押すとズーンと響く感じるポイントです。

昔から足三里は胃腸の元気を支えるツボとして親しまれてきました。

以前の記事でも何度か紹介しているのでお馴染みですが、それ以上は歩けないところから押すとあと三里歩くことが出来る、ということが名前の由来になっている健脚のツボです。

歩き疲れたときやお腹が重いときに、ふくらはぎの外側をやさしく押すと、胃の不調だけでなく疲労感が減って、全身の巡りが整うような軽さを感じられます。

もちろん、ツボ押しだけで食べ過ぎや飲み過ぎがすべて解決するわけではありませんが、

「ちょっと胃腸をいたわりたいな」というときに、気持ちを切り替えるきっかけとして取り入れるのもおすすめです。

そしてお腹の調子を労るために、普段から気をつけていただきたいことは、

  • お腹が8分目で心地よく止める
  • お酒は水と一緒に同じ量を飲むようにする
  • 夜遅い食事は軽めにする
  • よく噛んで食べる
  • 各栄養素をバランスの良い食事
  • 身体を温める食材(生姜など)を心がけて摂取する
  • 寒い日はお湯にゆっくり浸かる(足湯でも可)
  • 適度な運動をする(10分ほどのウォーキング)

といった小さな工夫を組み合わせると、体への負担もぐっと軽くなります。

内関と足三里の2つのツボを押しながら、胃腸に「今日もありがとう」と声をかけるようにケアしてあげると、食事の時間がより心地よいものになりますよ♪

是非試してみてください。

それでは今年も一年関わっていただいた皆様、本当にありがとうございました。

皆様が健康に過ごせることを願って、引き続きサポートさせていただきますので、来年もどうぞ宜しくお願いします。


原島慈郎(はらしま・じろう)

日本で10年間鍼灸師として大学病院のペインクリニック科や脳神経内病院、 婦人科疾患専門の鍼灸治療院などで勤務。2022年にベルリンに移住。Heilpraktikerの勉強を始め、2025年にドイツ鍼灸師資格取得。施術の傍ら、デーヤックのニュースレターでコラム「鍼灸のすゝめ」執筆や講演活動を行う。

お問い合わせはこちらから:hari.jiro.t@gmail.com

原島慈郎